チェス世界大会の賞金がすごい!eスポーツになってる?現在のチャンピオンも紹介

  • 6月 21, 2025
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  • コラム
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「チェスって昔ながらのボードゲームでしょ?」そんなイメージを持つ人も多いかもしれませんが、実は今やチェス世界大会は億単位の賞金が動くeスポーツの世界で大きな注目を集めています。2025年のeスポーツワールドカップでは賞金総額150万ドル、日本円にして約2億3000万円という破格の賞金が用意され、世界最強のプレイヤーたちが激突。また、2024年には史上最年少の18歳世界チャンピオンが誕生するなど、チェス界は今まさに歴史的な転換期を迎えています。

チェス世界大会がeスポーツの世界に本格参戦!驚愕の賞金額とは

1500年もの歴史を持つチェスが、今やeスポーツの舞台で巨額の賞金を懸けた戦いを繰り広げています。近年のオンライン大会の隆盛により、トッププレイヤーたちは従来の世界選手権とは別の舞台で、想像を超える金額を手にするようになりました。

現在の世界チャンピオンは18歳の天才少年

2024年のチェス世界大会で新たな歴史が刻まれました。18歳のインド人グランドマスター、グケシュ・ドマラジュが現王者ディン・リレンを破り、史上最年少での世界チャンピオン獲得を果たしたのです。グケシュは2024年4月に開催された候補者トーナメントを制し、世界選手権への挑戦権を獲得しました。その後11月25日から12月13日にかけてシンガポールで行われた14戦の激闘を7.5ポイントで制し、新世界王者となりました。この快挙により、チェス界に新たな時代の到来を告げることとなったのだとか。世界選手権の仕組みは独特で、現チャンピオンと候補者トーナメントの勝者が1対1で対戦します。候補者トーナメントには、前年の準優勝者、チェスワールドカップ上位陣、各種主要大会の優勝者など8名が参加し、総当たり戦で挑戦者を決定します。

eスポーツチェスの賞金が桁違いに

従来のチェス界では考えられなかった高額賞金が、オンライン大会で実現しています。特に2020年のコロナ禍以降、リアル開催が困難になったことで、オンライン大会への注目と投資が急激に増加しました。最も象徴的なのが、チェス界のレジェンド、マグヌス・カールセンの活躍です。2020年には彼がeスポーツ全体での賞金獲得ランキング1位を記録し、51万ドルを稼ぎ出しました。これは他のどのeスポーツタイトルの選手をも上回る金額で、チェスの商業的価値の高さを証明しました。主要なオンライン大会プラットフォームであるChess.com、chess24.com、lichess.orgの中でも、chess24が最も高額な賞金を提供しています。単一トーナメントでの最高賞金総額は30.4万ドル、個人の最高獲得賞金は14万ドルに。

2025年eスポーツワールドカップでチェスが正式種目に

2025年、チェス界にとって歴史的な出来事が起こります。サウジアラビアで開催されるeスポーツワールドカップに、チェスが正式種目として採用されるのです。この大会の注目ポイントは、なんといっても賞金総額150万ドル(約2億3000万円)という破格の金額。従来の世界選手権の賞金をはるかに上回る規模で、チェス界に新たな経済圏を生み出しています。さらに、マグヌス・カールセンがグローバルアンバサダーに就任したこと。世界最強の称号を持つ彼の参加により、大会の権威と注目度は格段に向上しています。

出場への道のりと競技形式

eスポーツワールドカップのチェス部門への出場は、Chess.com主催のチャンピオンズ・チェス・ツアー(CCT)を通じて決まります。2月と5月に開催される賞金総額30万ドルのオンラインツアーで上位12名が本戦出場権を獲得し、残る4枠はサウジアラビアのリヤドで行われる最終予選で争われます。競技形式は10分のラピッドチェス。この形式は、プレイヤーが十分な戦略を練る時間を確保しつつ、観客を引きつける白熱した展開を実現するために選ばれました。引き分けの場合は「アーマゲドン」と呼ばれる特殊ルールで決着をつけます。白番が5分、黒番が4分の持ち時間で戦い、黒番は引き分けでも勝利となる緊張感あふれる形式です。

デジタル化がもたらした新たな可能性

チェスのeスポーツ化を支えているのは、デジタル技術の進歩。Chess.comの会員数は現在約2億人に達し、特に若い世代の間で爆発的な人気を博しています。TwitchやYouTubeでのチェス配信も大きな盛り上がりを見せており、トッププレイヤーの対戦は数十万人が視聴。解説者によるリアルタイム分析も観戦の楽しみを倍増させ、従来のチェスファン以外の層も取り込んでいます。eスポーツワールドカップ財団のライヒャートCEOは「プレイの場がボードからスクリーンに変わっても、真剣勝負の本質は変わらない」と語り、チェスの本質的な魅力がデジタル環境でも十分に発揮されることを強調しています。

日本のチェス界への影響と今後の展望

eスポーツワールドカップでのチェス正式採用は、日本のチェス界にも大きな影響を与えています。日本チェス連盟では海外大会への参加支援を強化し、若手プレイヤーの育成に力を入れています。国内でもオンライン大会の開催が活発化し、従来のクラブ活動に加えて、より多様な参加機会が提供されるようになりました。特に学生層を中心とした新規参入者の増加が顕著で、日本のチェス人口拡大に寄与しています。今後は国際大会での日本人プレイヤーの活躍も期待されており、チェス界全体の底上げが進んでいます。

まとめ

1500年の歴史を持つチェスが、最新のeスポーツ技術と融合することで、全く新しい競技体験を生み出しています。高額賞金、若き世界王者の誕生、そしてeスポーツワールドカップへの正式参戦と、チェス界は今まさに変革の真っただ中にあります。従来の厳格なトーナメント形式から、よりエンターテイメント性の高いオンライン大会まで、多様な楽しみ方が提供されている現在のチェス界。古典的な頭脳戦が現代技術によって新たな魅力を獲得し、世界中の注目を集めています。チェスファンのみならず多くの人々が固唾を飲んで見守っていることでしょう。