2017年の春にゲームマーケットでお披露目された「はぁって言うゲーム」。インディーズ作品の時代からボードゲーム愛好家の間で好評をはくしていました。2018年に幻冬舎から商業版の第1弾が発売されてからは、さまざまなメディアで紹介され、V Tuberや配信者の間でも大流行しています。そこで今回は「はぁって言うゲーム」に着目し、ルールや遊び方を解説します。
「はぁって言うゲーム」の基本情報
「はぁって言うゲーム」の制作者は、「ぷよぷよ」などの歴史的なゲームソフトをプロデュースしてきたことで有名な米光一成さんです。アナログゲーム開発の面白さをより多くの人に知ってほしいという思いからコミュニティ・カレッジを運営していたところ、「はぁって言うゲーム」を思いつきました。2025年11月時点、シリーズ5作品とミニチュア版が発売され、累計の発行部数が120万部を超過しています。
プレイ人数:3~8人
プレイ時間:約15分
対象年齢: 8歳以上
ジャンル:お題系
「はぁって言うゲーム」とはどんなゲーム?
「はぁって言うゲーム」のルールは実にシンプル。プレイヤー1名がお題を声と表情のみで演じ、その状況の背景を他のプレイヤーが推理します。お題は「はぁ」や「なんで」などのワンフレーズの他に、「寝顔」や「ウインク」といった仕草が含まれており、いずれも身振り手振りでの表現が厳禁です。相手に上手く伝わるように工夫する演技力と共に、洞察力や共感力が求められます。
遊び方の流れ
出典元:WEST.
まず各プレイヤーに投票用のチップ8枚とカード1枚を配布します。続いて、お題カード1枚をランダムで選び、表向きにして場の中央付近に配置。お題カードには表現のシチュエーションがAからHまで8種類ほど記載されています。例えば「はぁ」のお題カードに記載されているのは、「A:なんで?の『はぁ』」「B:力をためる時の『はぁ』」…「H:失恋の『はぁ』」という内容です。アクトカードを裏向きのまま1枚ずつ配布し、AからHのシチュエーションをどのプレイヤーが演じるのか決定します。
与えられたお題を演じる
配布されたアクトカードは周囲に見られないように表向きにして、自分1人だけが確認します。アクトカードに記載されているアルファベットが「B」ならば、お題カードの「B」が自分の演じなければならないシチュエーションです。演じる時に唯一、注意しなければならないポイントはジェスチャーが「はぁって言うゲーム」のルール違反に該当すること。表現の方法は声と表情のみに限定されているため、身体をのけぞらせる、手を動かすといった行為も避けなければなりません。
推理して投票
1番手の演技を見たプレイヤーたちは、どのお題を演じていたのか推理し、投票チップ1枚を裏向きにして投票カードの№1の枠に配置します。投票が一段落ついたら2番手の演技のスタートです。この要領でプレイヤーが順番に演技をおこない、その他のプレイヤーが投票する工程を繰り返します。プレイヤー全員に対する投票が完了したら、いよいよ答え合わせです。
得点の計算
答え合わせの際には、まず投票カードに置いた投票チップを全て表向きにセッティング。そして1番手から順に演じたシチュエーションを発表し、得点を計算します。得点には2種類あり、他のプレイヤーの演技を1つ正解するごとに1点、自分の演技を当てた人数×1点です。計算の結果、最多得点を稼いだプレイヤーの勝利となります。
おすすめの戦略はある?
参加者とのコミュニケーションを楽しむことがゲーム本来の目的です。真剣勝負に重点を置いていないため、それほど戦略が重要ではありません。それでも負けてばかりで悔しいという場合には、目線や口の動きなど相手の細部を観察してみましょう。些細な非言語的表現から何を伝えようとしているのか、演者であるプレイヤーの意図を深く考えると正解を導き出しやすくなります。
演じる時には…
演じる側になった時は、類似しているシチュエーションの違いをどのように表現するべきか創意工夫することが大切。実は、お題カードに記されているシチュエーションに類似しているものがいくつか含まれているのです。例えば「はぁ」のお題カードのシチュエーションの中には、「とぼけの『はぁ』」と「ぼうぜんの『はぁ』」があります。このどちらかを演じなければならない場合、微妙な違いを見る側に伝えることは非常に難しいです。どうすれば相手に共感してもらえるのかを熟考して、演技に取り入れるようにしましょう。
レビューを紹介
「はぁって言うゲーム」はルールだけでなく、ゲーム展開も単純明快です。複雑な部分がほとんどないため、ち密な戦略や熟練度の高さが勝敗に直結しません。すべてのプレイヤーに勝利の芽があり、誰でも気軽にプレイして交流を深められます。ゆえに介護施設でのリハビリや社内の新人研修会など、フォーマルな場でも重宝されているのだとか。ここからは実際に遊んでみた人のレビューを紹介します。
皆で大盛り上がり必至
演技を披露する時には指定されたワンフレーズと、表情のみで伝えることが難しいために、意外な一面をみせるプレイヤーが続出しがちです。ふだん明るいキャラの男性が恥ずかしがって赤面したり、おとなしい性格のはずの女性が全力で演技をしたり、その様子に思わず笑みがこぼれます。また答え合わせの時間になると、「さっきの『はぁ』は感情が入ってなかった!」など互いの演技の批評が繰り広げられ、盛り上がり必至です。それゆえ、あらゆる表現系のボードゲームの中でも随一の面白さと絶賛されています。
何度もプレイしたくなる仕様
お題カードは30種類あり、それぞれに8つのシチュエーションが用意されています。そのため毎回、違うお題を設定して新鮮な感覚でプレイできるため、興味が尽きません。またプレイする人数や顔ぶれによってゲームの雰囲気が一変し、遊ぶたびに新たな面白さを発見できます。このリプレイ性の高さこそがパーティーゲームとして定着している一因なのでしょう。
未経験者や幼い子供にピッタリ
ゲーム1回あたりにかかる時間は約15分と短め。テンポよくゲームが進行するため、長丁場になりにくいです。惰性でゲームを続けてだらけたり、集中力が低下して飽きたりという事態は、ほぼ起きません。ゆえにボードゲームに馴染みがない未経験者や、幼い子供もゲームに没頭して遊べます。アナログゲームに興味あるけれども、どれをプレイしようか迷っている場合には、まず「はぁって言うゲーム」から始めてみると良いかもしれません。
ゲームに不向きな人もいる
恥ずかしがり屋の人や、演技に抵抗がある人は「はぁって言うゲーム」が不向きです。ゲームの主軸である「演じること」を楽しめず、テンションが低い状態でプレイするため、重たい空気になりかねません。万人受けするとは限らないため、ゲーム開始前に演技が苦手ではないかを参加プレイヤーに確認しましょう。皆で楽しめなければ意味がありませんからね。
まとめ
「はぁって言うゲーム」はいつでもどこでも気軽に遊べる定番のパーティーカードゲームです。演技を通じて会話に花が咲き、自然と交流を深められます。オンラインゲームとは異なるドキドキワクワク感や心理戦も楽しめるため、多くのゲーム愛好家がハマっているようです。また「はぁって言うゲーム」第1弾に新要素がプラスされた派生作品も面白さに定評があるため、ぜひお気に入りのタイトルを探してください。







