アメリカ出身のボードゲームデザイナーであるアレックスランドルフさん。ゲーム作品の考案だけでなく、ゲームデザイナーの地位向上にも尽力し、ボードゲーム業界の巨匠と呼ばれている偉大な人物です。1980年代から2000年代にかけて生み出した数々の名作の中で、とくに幅広い世代から支持されているのが「チャオチャオ」です。一体どのようなボードゲームなのか、ルールや遊び方を解説します。
「チャオチャオ」の基本情報
1997年にドイツの出版社が発売した「チャオチャオ」。日本国内では2000年初頭にメビウスゲームズが和訳版の取り扱いを始めて以降、「日本ボードゲーム大賞2013・選考部門大賞」を受賞するなどゲーム性が高く評価されています。どれだけ年月が経過しても色あせない魅力と醍醐味を持っているため、多くのプレイヤーがハマっているようです。
- プレイ人数:2~4人
- プレイ時間:20~25分
- 対象年齢: 8歳以上
- ジャンル:すごろく系/戦略対戦系
「チャオチャオ」とはどんなゲーム?
出典元:オモコロチャンネル
「チャオチャオ」とは、すごろく系ボードゲームです。不思議な植物に覆われたジャングルを舞台に、プレイヤーは沼にかかっている吊り橋の突破を目指します。サイコロの出目の数だけ進み8マスの吊り橋を渡りきればゴールという単純なルール設定ですが、簡単にコマを進められません。なぜならサイコロを振る際に出目によっては絶対に嘘をつかなければならないため。嘘を見抜かれたプレイヤーは、自分のコマを吊り橋から沼へと落とされてしまうのです。そのため演技力や洞察力が求められます。
遊び方の流れ
まずは各プレイヤーが使う色を決めて、該当する色のコマ7個を手駒とします。そして自分のコマを1個だけ吊り橋の入り口・スタート地点に配置すれば準備完了です。任意で順番を決め、サイコロを振っていきます。サイコロは筒の中に入れて振り、口の部分から覗き込んで出目を確認しなければなりません。周囲に出目を見られないように注意しましょう。
出目の確認と宣言
「チャオチャオ」のサイコロは、一般的なボードゲームで使うものと異なっており、5と6の面に×印が描かれています。この×印が出目の場合には絶対に嘘をつかなければなりません。1~4のうちいずれかの数字を宣言し、そのぶんだけコマを進めます。尚、出目が1~4の時は、正直に出目の数を宣言するか、噓をつくか、どちらかを自由に選択して問題ありません。
宣言内容の判定
手番のプレイヤーが出目を宣言したら、時計回りの順に他のプレイヤーが宣言内容の真偽を判断します。いっさい疑うプレイヤーがいなければ手番交代となりますが、だれか1人でも嘘ではないかと指摘した時には、サイコロの出目を全員で確認しなければなりません。万が一、出目と宣言の数が違っていたら手番のプレイヤーのコマは沼に落とされます。さようならという意味を込めて、「チャオチャオ~」と言いながらコマを見送りましょう。そして嘘を指摘したプレイヤーは、手番のプレイヤーが宣言した数だけコマを進められます。
指摘が間違っていた場合
サイコロの出目が宣言した通りの場合は、指摘したプレイヤーのコマが沼に落とされます。沼に落ちたコマはその後ゲームに復帰できません。そのためコマが落とされたら、残っている手駒のうちの1個を直ぐに吊り橋のスタート地点に配置する必要があります。ゲームの途中でコマの補充がないからこそのプレッシャーや、なかなか吊り橋を渡りきれないモヤモヤ感が醍醐味です。
コマがゴールしたらやること
9マスほど進み、吊り橋を渡りきって対岸に到着すればゴールです。対岸には①から⑧までマスが描かれているため、ゴールした順番に応じたマスにコマを配置します。その後、手駒のうちの1個を吊り橋のスタート地点に置きましょう。この時、新たに置くコマが手元に無いプレイヤーは手番を実行できないため、観戦する側になります。ゴールしたコマが1個以上あれば、宣言内容の判定のみ参加可能ですが、嘘の指摘に失敗すると沼に落とされるペナルティは免れません。
勝利条件
勝利条件は自分のコマ3個を誰よりも早くゴールさせること。ゲーム開始時、各プレイヤーに7個のコマが与えられますが、その全てをゴールさせる必要はありません。また、プレイヤー全員がコマを動かせない状態になると、その時点でゲーム終了です。2個のコマをゴールさせているプレイヤーの得点を計算します。コマが置かれているマスの数が得点となり、最高得点のプレイヤーが勝利です。つまりゴールの順が遅いほど高得点を稼げます。
おすすめの戦略はある
いかに嘘を上手につけるか否かが戦略の鍵です。いずれの出目でも自信たっぷりに宣言する姿勢を心がけましょう。それまで意気揚々と発言していたが出目を見た瞬間に戸惑い絶句するなど、不自然な行動は厳禁です。「嘘をつくのが苦手なタイプです」と周囲にアピールしているようなものですからね。どの数字を言うべきか迷ってしまう人は、あらかじめ宣言する数字を決めておくとブラフが上手になりますよ。
4と3の宣言に気をつける
サイコロの4もしくは3を続けて出せばゴールは目前です。どちらかの数字を早めに出して戦況を有利にしたいと、たいていのプレイヤーは考えています。それゆえ出目として4や3を続けて宣言すると、周囲から怪しまれる可能性が高いです。嘘の宣言で4を使っていたことがばれてしまうと、ライバルに先手をとられてしまうリスクがあります。しかし自分以外のプレイヤーのコマが全てゴール手前ならば、4や3を嘘の宣言で使っても、そこまで警戒されません。状況を総合的に判断しつつ、4と3の使いどころを見極めましょう。
常に×印が出たと嘘をつく
「チャオチャオ」では、サイコロの出目に関係なく数字を偽ってOKです。×印が出た時のみ嘘をつかなければならないという訳ではありません。この特殊ルールを利用して、どの出目の時でも数字を宣言する前に「あぁ×印が出た」と言って演技しましょう。他のプレイヤーを悩ませる材料が増えれば、自分のコマを進めやすくなりますよ。
先手必勝ではない
サイコロの性質上、30パーセントの確率で手駒を失うリスクがあります。それゆえゲーム序盤はコマの温存に集中することが得策です。×印の出目以外で嘘をつく、他プレイヤーの宣言内容を指摘する、この2つの行動を仕掛けるのはゲーム終盤がオススメ。手駒が多く残っている状態の強みをいかして、効率よく周囲にプレッシャーを与えられますし、なにより高得点ゲットを望めます。
デメリットについて
ルールや実行するアクションが複雑ではないため、幅広い年代が一緒になって夢中で遊べますが、デメリットもあります。それは嘘を強制させられること。幼い子供がプレイする場合に、「嘘の数字を言う」というルールが教育上問題なのではと感じる保護者もいるようです。確かに日常生活において嘘は善良な行動ではありませんが、場面に応じて本音と建て前を使い分けなければなりません。その説明を幼い子供たちにおこなったうえでプレイするのが良いでしょう。
まとめ
「チャオチャオ」はダウトとすごろくの要素を融合したボードゲームです。最少3回の手番で吊り橋を渡りきり、コマをゴールさせられるのですが、一筋縄ではいきません。真実と嘘を上手に織り交ぜつつ、堅実にゴールを目指す必要があります。とはいえ人狼ゲームのような殺伐とした雰囲気にはなりにくいため、心理戦が苦手な人でも安心して遊べますよ。







