子供の知的好奇心を高めるツールとして注目を集めているボードゲーム。ボードやコマに触れながら対戦相手とのコミュニケーションを楽しめるため、様々な感覚を養えます。とくに「オートリオ」はハマる子供が増殖中です。この記事では、脳トレの効果も期待できる「オートリオ」の魅力を深掘りします。「オートリオ」を購入しようかと迷っている人はぜひ参考にしてください。
「オートリオ」の基本情報
「オートリオ」は、アメリカの玩具メーカーであるマーブルスゲームスが手がけたボードゲームです。発売間もなく欧州で話題になり、2016年にスウェーデンとフィンランドの玩具協会から栄誉ある賞を授与されました。日本国内では、玩具の輸出入や企画開発を行っているカワダが2018年に販売開始。ゲーム内容だけでなく、インテリアにピッタリの美しいデザインが好評をはくしています。
- プレイ人数:2~4人
- プレイ時間:10分~
- 対象年齢: 6歳以上
- ジャンル:戦略対戦系/パズル系
- 発売年:2015年
- 発祥国:アメリカ
「オートリオ」とはどんなゲーム?
端的に言えば三目並べのハイブリッド版です。「オートリオ」とゲーム名が示す通り、O(オー)の形のコマを3つ並べることが目的。とはいえ○×ゲームのように単純ではありません。なぜならボードが1つのスペースに形状の異なるコマを最大3つ設置できる構造になっているから。そのためプレイ人数が増えれば考えなければならないことも多くなり、ゲームの奥深さを実感できます。
ゲームの勝利条件
勝利条件は以下の3種類があります。1つのスペースに3つのコマを並べる、同じ色・サイズのコマを一直線に並べる、同じ色のコマを大きい順に一直線に並べる、いずれかを最速で達成したプレイヤーの勝利です。プレイヤーの手持ちのコマが無くなった時点でゲーム終了となります。それまでに勝利条件を1人も達成できなければ引き分けです。
遊び方の流れ
出典元:カワダ/Kawada
ゲームに使うコマは、赤色・青色・黄色・緑色の4種類。それぞれ大・中・小サイズが3つずつあります。遊ぶ前に、これらのコマを色ごとにボードの外側四方に並べましょう。2人対戦の場合には、ボード上で対面している2色のコマを各プレイヤーが使います。3人以上の対戦になると、プレイヤー1人あたりの手持ちのコマは1色のみです。コマの準備が終わったら、最年少のプレイヤーからゲーム開始。その後、時計回りに手番が移動します。
コマを置く時のルール
手番が回ってきたプレイヤーは、手持ちのコマの中から1つだけ選び、ボードに置きます。既に相手のコマがあるスペースでも、異なるサイズのコマであれば置くことが可能です。尚いったんボードに置かれたコマの移動はルール違反となります。触ったり、再び動かしたりしないように注意しましょう。また、コマを置けるスペースがまったく無い場合はパスできます。
ゲームのレビュー
基本のルールは、三目並べの元祖である○×ゲームにそっくり。普段ボードゲームをプレイしない人でも短期間で理解できます。とはいえ実際に購入して遊んだ人たちは、どのように感じているのでしょうか。
小学生以上の子供も真剣に遊べる
ルールがいたってシンプルなうえに、1ゲームにかかる時間が10~15分ほどのため、小学生も大人も集中してゲームに臨めます。未就学児ではルールの理解が難しいものの、低学年の子供ならば一度ルールをマスターすると、勝ちと負けを繰り返す中でコツを覚えられるようです。もしプレイヤー間で年齢や経験による大きな差がある際には、初手のコマの配置場所を制限するなど、ハンデをつけましょう。
いっさいリーチに気づかないことも
勝敗が決まるきっかけの大半は、「リーチの状態を気づかずにスルーしてしまうこと」といわれています。そもそも「オートリオ」では多くのコマの状況に注視しなければならないため、ついリーチを見落としてしまうのです。対戦相手にリーチを気づかれないまま勝利条件を達成できた瞬間は、痛快なのだとか。相手が「オートリオ」とコールした瞬間、自分の複数リーチに気づいて驚く場面もあり、勝ち負けに関わらず笑みがこぼれてきます。
3人以上のプレイがベター
2人対戦では交互にコマを置くため、状況把握が比較的簡単です。しかし3人以上の対戦になると、手番が一周する間にボードに配置されているコマの状況が大きく変化します。さらに、誰がどのリーチを妨害するのかなど考えなければならず、心理戦がつきもの。必然的にゲームの難度が上昇するため、醍醐味を存分に味わえるようです。
集中すると引き分けが多発
ゲームの唯一の難点は、いくつかの条件が重なると引き分けが多発すること。例えば、ほぼ実力が互角のプレイヤー同士が集中して対戦する場合には、リーチの見逃しが起きにくくなります。その結果、引き分けになりがちです。とくに2人対戦、4人対戦では、勝敗が決まらないケースが珍しくありません。ゆえに「引き分けばかりでゲームを楽しみきれない」と感じているユーザーもいる模様。
戦略はある?
「オートリオ」には、いくつもの勝ち筋があります。そのためゲームに慣れて戦略を覚えれば勝率が格段に向上します。ここからは必勝につながる戦略をチェックしていきましょう。
中央のスペースを押さえよう
より多くの勝ち筋を作るためには、○×ゲームと同じく中央のスペースが鍵となります。但し、やみくもにコマを配置すればいいという訳ではありません。理想は、いち早く中サイズのコマを中央のスペースに置くこと。そうすれば合計13通りの勝利パターンが生まれます。中央のスペースを起点に同じ色・サイズのコマを一直線に並べる、同じ色のコマを大きい順に並べる、この2つを同時進行することで勝利が近づくでしょう。尚、プレイヤーの数や戦況によって効果的なアプローチの方法は変化するため、柔軟な戦略も欠かせません。
妨害に集中し過ぎるのはNG
相手が勝利しないようにリーチを潰す作業は大切ですが、そればかりでは一向に自分が勝利条件を達成できません。そのため相手の動きを先読みし、リーチを作らせないようにコマの配置を工夫する意識が大切です。ゲームに慣れてきたら、自分がリーチに近づきやすい状況も想定しつつ、相手の行動を妨害しましょう。防御と攻撃をバランスよく行う中で、戦略の幅が広がりますよ。
手持ちのコマの管理に注意
基本的に、プレイヤー個々の手持ちのコマは大・中・小サイズが各3つと限られています。ゲームの最中の補充がありません。ゆえに、いずれか1種類のコマが極端に減ってしまうと、手詰まりが起きやすくなります。そのため、大・中サイズのコマでリーチの可能性を作り、相手に小サイズのコマを消耗させることも有効な戦法の1つです。しかしながら相手も同様の戦法をとりかねないため、ボードのコマの配置と手持ちのコマの状況、両方に注意しなければなりません。
まとめ
「オートリオ」は小学生以上の子供ならば直ぐにルールを理解してプレイ可能。ゲーム内容が単純ながらも奥が深く、対戦相手と駆け引きしながら戦略を練らなければなりません。ゲーム回数を重ねれば、いくつもの勝ち筋を同時に考えられるようになり、脳トレの効果も抜群。その魅力を家族みんなで共有しつつ遊べるため、毎日のようにプレイしているという人もいるようです。