国内最大級のアナログゲームの祭典・ゲームマーケットを開催している企業・アークライト。同社が2025年2月に発売した「タブリーズ」日本語版は、愛好家の間で話題になり、じわじわと人気を集めています。豪華なコンポーネントでゲームの世界観をリアルに再現するなど、随所にこだわりが光っているのだとか。そこで今回は、「タブリーズ」のルールや遊び方などを調査しました。
「タブリーズ」の基本情報
「カスカディア」シリーズのデザイナーを務めていることで有名なランディ・フリンさんが手がけた本作品。舞台は、ペルシャ絨毯の生産と売買が盛んなイラン北西部の都市・タブリーズです。プレイヤーはタブリーズで研鑽を積む絨毯職人になりきり、次々と舞い込んでくる仕事を効率よくこなしつつ、より多くの技術と名声の獲得を目指します。ルールがシンプルながらも行動の選択肢が豊富なため、やりごたえ抜群です。
プレイ人数:1~5人
プレイ時間:45~75分
対象年齢: 14歳以上
ジャンル:戦略対戦系
発売年:2025年
発祥国:アメリカ
「タブリーズ」とはどんなゲーム?
各プレイヤーは3人の弟子を市内に派遣し、彼らに絨毯づくりに必要な素材を買い集めてもらいます。しかし絨毯ビジネスによって物流が盛んなタブリーズのショップでは、購入したい素材の在庫ぎれが珍しくありません。そのため市場の状況を分析しながら素材の収集を進め、注文を達成します。ゲーム序盤は階級の低い顧客からしか注文を受けられず報酬が少ないものの、注文を何度もこなして絨毯職人として成長すれば、報酬が高めの依頼を受注可能です。少しずつ自分のデッキが強化されていく様子にワクワクしますよ。
勝利条件
いずれかのプレイヤーのスキルが14に到達した、もしくは注文カード9枚を達成した、その時点でゲーム終了です。各プレイヤーは達成した注文カードやスキル表の内容などを確認し、勝利ポイントを計算します。その結果、最高得点のプレイヤーがタブリーズ№1の絨毯職人となり、ゲームの勝者です。万が一2人以上のプレイヤーが最高得点を稼いだ場合には、保有している素材の数量とコインの金額を合算し、最も多いプレイヤーが勝者となります。これで勝者が決まらなければ引き分けです。
遊び方の流れ
まずボードマットを広げ、空白のスペースにショップとその在庫を準備。プレイヤーそれぞれが所有する弟子コマを広場タイルに配置したら、任意で親となるプレイヤーを決めてゲーム開始です。時計回りに手番が移動し、各プレイヤーが3回ずつ手番を実行すると1ラウンド終了となります。途中で「スキルが14に到達した」「注文カード9枚を達成した」というプレイヤーが出てきた際には、他のプレイヤーが残りのラウンドの手番を消化してゲーム終了です。続いては手番1回あたりに実行できるアクションの内容をチェックしましょう。
弟子コマを動かす(強制)
各プレイヤーが所有している弟子コマは3個。1回あたりの手番に動かせるのは1個のみです。手番が回ってきたプレイヤーは直立不動の弟子コマを選び、ボードマットに記載されている足跡にそって最大タイル3枚分まで動かせます。移動先では、弟子コマを横たわった状態にしてタイルの隅に置き、移動した旨が分かるようにしなければなりません。尚、別のプレイヤーの弟子コマがタイルに横たわっていても進路妨害とならず、同様に配置してOKです。但し、1ラウンド中に自分の弟子コマを同一タイルに2回以上、停止させることはできません。
特例となる広場タイルについて
弟子コマのスタートポジションである広場タイルには、いくつか特例があります。まず弟子コマの移動先を広場タイルにした場合、距離の制限がありません。そのため、タイル6枚分を移動して広場タイルに到達する、0マス移動として広場タイルにとどまり続けるなど、目的に合わせて自由に活用できます。また、広場タイルだけは自分の複数の弟子コマが同時に停止しても問題ありません。
タイルのアクションを実行(任意)
各タイルにはアクションが記載されており、そこに弟子コマを移動させたプレイヤーが実行できます。アクションの内容は主に以下の3種類、素材購入・資源交換・ダイスです。手堅くゲームを進めるならば、プレイヤー自身で裁量を決められる素材購入もしくは資源交換のタイルがベター。ダイスのタイルでは、ダイスをふって出た目の数に応じて買い物しなければならないため、運の要素が非常に強いです。
注文カードの達成(任意)
注文カードは顧客からの絨毯制作の依頼を表しており、必要な素材の種類と数が記載されています。アクション実行後、保有している素材が充実しているなら、手持ちの注文カードのいずれかを達成可能です。報酬として注文カードに記載されているコイン・スキル・勝利ポイントをもらえます。因みに、注文カードは広場タイルを訪れることで補充が可能です。減ってきたタイミングで弟子コマを広場タイルに動かし、注文カードが手元に無い状態を作らないようにしましょう。
工房フェイズに移行
上記の手順を繰り返して第1ラウンドが終了したら、第2ラウンド以降は工房フェイズからスタートです。ゲーム再開前に諸々の準備をしなければなりません。まずボードマット上の各ショップに素材を適宜補充します。タイル上にダイスがのっていれば、それらを再び振り、出た目の数とタイルの表示に従って素材を追加。そして横たわった状態になっている弟子コマを立たせて復活させた後、親の左隣にいるプレイヤーが初手を務め、ゲーム再開です。
工房アクションの実行
第2ラウンド以降のプレイ内容も基本的には第1ラウンドとほぼ同じ、弟子コマの移動から注文カードの達成までの3ステップを繰り返します。大きく異なる点は、工房アクションの実行。達成済みの注文カードの中に、工房アクションのアイコンが記載されているカードがあれば、好きなタイミングでそのアクションを実行できます。その際には、コインの獲得や資源のトレードなど、さまざまな効果を望めますよ。
ゲームレビューを紹介
「タブリーズ」は数あるリソースマネジメント系ゲームの中でも、そこまで難易度が高すぎず、1時間ほどで決着がつきます。初心者がプレイしやすい仕様になっているため、ハマるプレイヤーが続出している模様。ここからはゲームレビューを紹介します。
出遅れに要注意
ゲーム序盤は手持ちのコインが少ないため、素材の買付けに慎重になりがちですが、注文カードを2枚ほど達成したあたりから状況が一変。スキルアップによって素材やコインを効率よく集められるようになります。しかし、のんびりプレイを続けていると、上位の顧客の注文カードを達成するタイミングが遅れてしまい、取り返しのつかない事態に陥りかねません。出遅れないように注意することがゲーム終盤まで楽しむコツのようです。
妨害を気にせずゲームに没頭できる
全プレイヤーの弟子コマが同じボードマップの上で動き回るものの、互いに干渉する局面は多くありません。しいていえば貴重な資源を先攻奪取するための駆け引きが起きる程度で、相手を欺く罠にはめるといった行為はゼロに等しいです。それゆえ作品の世界観に没頭し、最適な戦略を追求できます。また、タイルの内容が変化する上級モードや、ソロプレイ専用モードも搭載されている点も大きな魅力。ゲーム熟練者はソロプレイ専用モードの難易度5に挑み、激戦を体感してみてください。
まとめ
2025年2月に発売された「タブリーズ」。イランに実在する都市・タブリーズを舞台に、絨毯職人になりきったプレイヤーがさまざまな顧客の依頼をこなすワーカープレイスメント系ゲームです。ゲームの進行に伴って戦略が広がり、自分のアイディアを駆使して資源をガンガン増やす感覚は痛快。複雑な処理がほとんどないため、じっくり戦略を練ることが好きな人ならば直ぐに慣れて面白さを実感できますよ。