韓国発祥のボードゲーム「レキシオ」。総売り上げ数が10万個以上を記録し、SNSで話題になっている人気作です。2021年に日本語版の発売が始まってからは、「レキシオ」のチャンピオンを決定する大会が開催されるなど日本国内でも大きな盛り上がりをみせています。そこで今回は、注目度が急上昇中の「レキシオ」の魅力を調査しました。
「レキシオ」とはどんなゲーム?
「レキシオ」は、ポーカーと麻雀、そして大富豪、3つの要素がバランスよく融合した戦略対戦系ボードゲームです。ルールは実にシンプル。トランプをプレイした経験がある人ならば3分ほどで覚えることが可能です。プレイヤーは配られた牌でポーカーのように役をそろえながら、大富豪と同じ要領で牌を捨てていきます。どの牌をいずれのタイミングで捨てるのか、戦略として手番をパスするべきかなど、思考を巡らさなければなりません。相手の行動や戦略を先読みする必要もあり、やりごたえ抜群です。
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:1ラウンドあたり5分ほど
ジャンル:牌系/戦略対戦系
対象年齢:8歳以上
発売年:2005年
「レキシオ」の勝利条件
だれかがすべての牌を捨てた時点で1ラウンドが終了し、そのたびに各プレイヤーの手元に残っている牌の個数に応じてコインチップを配分します。3~5ラウンドをおこない、最終的に所有しているコインチップの合計点数が最も多いプレイヤーの勝利です。尚、ゲーム開始時に各プレイヤーに64枚ずつコインチップが与えられます。手持ちのコインチップが無くなったプレイヤーは、即刻ゲーム脱落です。脱落が多発すると気まずくなってしまうため、適宜コインチップの補充を検討しましょう。
使う牌について
ゲームの主役である牌は、記載されているマークと数字によって強さが異なります。マークの中で最も強いのは、太陽。月、星、雲の順に弱くなります。また1~15の数字が牌に記載されていますが、その中で最も弱いのは3です。基本的に数が増えると強さも比例します。但し、15よりも1と2の方が強さを上回っており、2が最も強いです。つまり最弱の牌は雲3、最強の牌が太陽2となります。
遊び方の流れ
最初に参加プレイヤーの人数に合わせて使う牌を準備し、裏向きにして入念にシャッフルしましょう。続いてプレイヤーそれぞれに既定の個数の牌を配布します。各プレイヤーは、周囲に見えないように手持ちの牌を立てて並べ、1個1個の絵柄を確認。雲3の牌を所持しているプレイヤーが親となり、いよいよゲーム開始です。親が初手を済ませた後は、時計回りの順に手番が移動します。
手番で実行できること
手番で選択できるアクションは以下の2種類。「牌を捨てる」もしくは「パスする」、どちらかを実行します。それぞれのアクションは、どのようにしておこなわれるのか確認していきましょう。
牌を捨てる
手番が回ってきて牌を捨てる際には、注意しなければならないポイントがあります。それは、前の手番のプレイヤーが捨てた牌と同じ個数の牌を使い、より強い役を作ること。数字とマークの強弱を意識しつつ、ポーカーの要領で役を作らなければなりません。例えば、前の手番で月4と星4の「ペア」が出た場合には、5以上の強い数字と、月以上の強いマークを組み合わせる必要があります。因みに、役の作り方など牌の取り扱いを解説したカードが各プレイヤーに1枚ずつ用意されているので、ポーカーや大富豪に詳しくない人でも安心です。
1の牌の使い方について
5つの数字の連番で構成される「ストレート」と「ストレートフラッシュ」。この2種類の役を作る時のみ、1の牌を末尾の数字として代用可能です。2~3人対戦ならば、1~9の数字の牌を使うため、9の後ろに1をつけてOK。つまり「12345」と「67891」どちらの数字の並びも役として成立します。もちろん4~5人対戦の時にも、最大数に続く数字として1を代用できますよ。
パスする
役を作れない、戦略的に1回だけ手番を見送りたい、このような時には一切なにもせずパスを宣言しても問題ありません。その場合、最後に牌を捨てたプレイヤーは新たな親となり、今までの流れがリセットされます。そのため、初手では個数や役にとらわれず牌を捨てることが可能です。残っている牌を一気に消化して形勢逆転も望めるため、新たな親となった際にはチャンスを逃さないようにしましょう。
コインチップを配分する方法
上記のアクションを繰り返し、いち早く手持ちの牌を消化したプレイヤーが当該ラウンドの1位。2位は残っている牌の個数が最少のプレイヤーです。それぞれの順位を確認したら、コインチップを配分しましょう。1位のプレイヤーは、そのほかのプレイヤーから残っている個数分のコインチップをもらえます。一方、2位のプレイヤーは、残っている牌の差がもらえるコインチップの枚数です。例えば2位のプレイヤーの手元に残っている牌が2個、3位のプレイヤーの牌が4個の場合には、3位のプレイヤーからコインチップ2枚をもらえます。
ペナルティに要注意
数字の中で最も強い2の牌をラウンド終了まで使わずにいると、コインチップを配分する時にペナルティが発生するため要注意。残っている2の牌の個数に応じて、渡さなければならないコインチップが増加するのです。万が一「トリプル」の役を狙って2の牌を3個ほど残していた場合には、コインチップ24枚を1位のプレイヤーに渡さなければなりません。2の牌は諸刃の剣であることを覚えておきましょう。
「レキシオ」のレビューを紹介
「レキシオ」は人気YouTuberがプレイしてみた動画を続々と投稿し、着実に認知度と人気が上昇しています。実際にプレイしてみた人は、どのような点に面白さや魅力を感じているのでしょうか。
ゲーム展開がスリリング
上位の役であれば同数の牌を捨てられる、同数の牌でもマークによって強弱が異なるなど、ゲームを熱くする設定が盛りだくさん。そのため多岐にわたる戦略を立てつつ、他のプレイヤーとの駆け引きを満喫できます。全体の手持ちの牌が少なくなったタイミングで個数の多い役を出したり、親になるタイミングを狙って役を準備したり、創意工夫をこらして考えた戦略が見事にハマった時は快感です。また初見で手持ちの牌が弱いと感じても、戦略次第で状況が好転するため、ドキドキワクワク感が半端ないですよ。
コンポーネントが秀逸
独自性に特化したゲーム内容やルールだけでなく、高級感あふれるコンポーネントも「レキシオ」の特徴。ゲームで使う牌は、色彩ゆたかなマークが刻印されているうえに、しっかり重みと厚みがあります。加えて、牌を卓に置く時の「カチッ」いう音が心地よく、本物の麻雀牌のような質感です。軽量のカードゲームでは物足りないという人も大きな満足感を得られるようです。
何度も繰り返し遊びたくなる
ルールに複雑な部分がほとんどないため、未経験者でもゲームに親しみやすく、テンポよくプレイできます。一般的に30分ほどで決着がつき、長丁場になりにくいです。気軽に遊べるため、「もう1回やろう!」となるケースが多い模様。但し2人対戦では、牌の捨て方や読み合いが単調になりがちです。3人以上での対戦こそ、「レキシオ」の醍醐味を存分に感じられますよ。
まとめ
「レキシオ」は選ぶという意味を持つラテン語「LECTIO」がゲーム名の由来となっている通り、どの行動を選択するかによって戦況が変化します。戦術や駆け引きがゲームの鍵となるものの、運も勝敗に関係するため、熟練者が絶対的に有利ではありません。それゆえ幅広い年代がプレイを楽しめます。ゲームに慣れてきたら、スペシャルカードが付属されている拡張セット「レキシオネオ」に挑戦してみましょう。